先生と教官室2〜新しい道〜
先生の怒りと嫉妬
下に向けていた顔をあげると、そこには先生がたっていた。
「っっ……か、けやさ…」
強く握られている腕の痛みか。
それともこんな姿を見られた罪悪感か。
先生に合わせる顔がなくて、ただ下に視線を戻しながら先生を呼んだ。
早く、一秒でも早く助けて欲しい。
私は先生以外の温もりなんて欲しくない。
少し遠くにいた先生は、どんどんと私達のもとへ近づいてくる。
そして私の手を掴んでから、ゆっくり店員さんへと顔を向けた。
「悪いけど、離してもらえる?」
「は?いきなりなんすか?」
「いいから、さっさと離せ。」
「―――っっ!!」
私の位置からじゃ、先生の顔はよく見えない。
でも声を聞いただけで解る先生の不機嫌さ。
今まで聞いた事がないくらい低い声だ。
「君ここのバイトだろ?あんまり図々しいことしてるとクビにしてもらうけど?」
「…………。」
先生の脅しでやっと解放された私は、そのまま先生に引っ張られ背後に隠された。
さっきとは全く違う、安心する温もり。
やっぱり先生の温もりじゃないと駄目なんだ。