先生と教官室2〜新しい道〜
「元気になってくれて私達も嬉しいわ。ね、あなた。」
「あぁそうだな。伊緒ちゃんの笑顔が見れて良かったよ。」
この人達はどこまで優しいのだろう。
見ず知らずの私にここまで良くしてくれるなんて。
それに、この二人の優しさはどことなく先生と似ている気がする…。
「あ、そういえば…。伊緒ちゃん、一緒に来た人に連絡しなくていいのかい?」
「………そう、ですね。」
思い出したかのような勇二さんからの一言は、私の胸を少し痛める。
切りっぱなしの携帯には、まだ触れる事ができていない。
先生、きっと探してるよね。
心配だってしてる。
でも、どうやって謝ればいいのかが解らない。
素直になることが苦手な私には、凄く難しい事なんだ…。