先生と教官室2〜新しい道〜
もし、私と先生のお互いがもっと思った事を言い合えてたら、今回の喧嘩はなかったはず。
“好き”という気持ちを伝えるだけが素直だとは言えないよね。
「…そろそろかしら。」
「へ?」
壁にかかる時計を見ながら、志帆さんが呟いた。
そろそろって、何かあるのかな?
私も志帆さんと同じように時計を見てみると、店に着いてからまだ三十分も過ぎていない事が解った。
不思議だなぁ、もうずっと前から居たような気分。
「ちょっと表まで迎えに行ってくるよ。」
「えぇ、お願い。」
勇二さんが誰かを迎えに店の外へと出て行く。
すると、それと同時くらいに志帆さんがりんごに火をかけ始めた。