先生と教官室2〜新しい道〜
――――バタンッ
「翔也、よく来たな。」
駐車場に車を止め、勢いよくドアを閉める。
すると、まるで焦る俺を引き止めるかのように呼び止められた。
「…勇二さん。」
「久しぶりだなぁ、お前がここに来るの。」
「はい…。」
懐かしい声に、大好きな笑顔。
最近忙しくて来れなかったけど、ずっとここに来たかった。
でも、本当は、二人で笑いながら来る予定だったんだけどな…。
「中へ入ろうか。妻も伊緒ちゃんも待ってるぞ。」
「はい。」
「あ、でも伊緒ちゃんにはお前が来るとは伝えてないけどな。」
「……そうですか。」
少し落ち込む俺の肩を叩いてから、勇二さんは店へと歩きだした。
勇二さんが進んでいく後をついて行くと、“earnestly”と書かれた看板が目に入った。