先生と教官室2〜新しい道〜
志帆さんの言葉が胸に刺さる。
やっぱり、泣いていたんだな。
顔にかかっている髪を横へと流し耳にかけると、伊緒の寝顔がハッキリと見えた。
「…ごめんな。」
穏やかに眠る顔には、涙の跡と目の下の赤らみが残っている。
また無理に涙を止めようとして目をこすったんだろう。
前もやるなっていったのに…。
「伊緒、起きろ…。」
でも、こんな風にさせてしまったのは俺のせいだよな。
不安だったのも、嫌な思いをしたのも、伊緒の方が大きかったはず。
俺が守ってやらなければいけなかったのに。
大人の自分がこんなに余裕がなに事が情けない。
まして、大切な人をこんなに泣かせてしまうなんて…。