先生と教官室2〜新しい道〜
先生の言葉に頬を膨らませながら窓の外を見ると、そこは私の家の近くのコンビニを映していた。
時刻は夜の九時を指していて、まだ帰らなければいけない時間には達していない。
それなのに家の近くまで来てくれたのは、きっと先生なりの優しさなのかな…。
「伊緒、怒った?」
「…怒ってませんよ。」
窓からは視線を戻さずに、先生の言葉に答えた。
なんだか、今先生を見ると泣いちゃう気がするから。
「じゃぁ、なんで泣きそうなんだ?俺に怒ってるからじゃないの?」
「っっ!!!!!」
先生は私のエスパーで、考えてる事は何でもお見通し。
そんな事はずっと前から知ってるよ。
でも凄いね、顔も見ないで私の思っている事が解っちゃうなんて。
何もかもかなわないよ、先生には……。