先生と教官室2〜新しい道〜
「先生の顔を…見てるのも辛くて…。だから、走って逃げたんです…。」
涙を流しながら話し続ける私に、先生は無言で頷いた。
「一人に、なりたかった。頭の中がぐちゃぐちゃして…何も考えたくなくて…」
「うん。」
「でも…それでも…。頭に浮かんでくるのは先生の事ばっかりで…一人は寂しくて…」
一人で泣いていた公園は、私には広すぎた。
志帆さんと勇二さんが来てくれなかったら、私は寂しさでおかしくなっていたはず。
「先生に嫌われたら…私、どうしたらいいのか…わか、んなぃ…」
今抱きしめてくれているこの腕や、優しさや愛しさ。
私の中であって当たり前のものになってしまったもの全てが無くなってしまったら、私は壊れてしまう。
他の人の温もりじゃ、変わりになんてならないの。
先生じゃなきゃ。
私には先生じゃなきゃ駄目なの…。