先生と教官室2〜新しい道〜
こんなにも大好きなんだよ。
失うことなんて考えられない。
「先生だけが悪いんじゃない、私にも原因はあったんです。それに…」
そこまで言うと、強く腕を引っ張られた。
身体に感じるのは、大きな温もり。
「せんせ…」
さっきとは違って、先生は私を強く抱きしめる。
その力が、私にやっと本当の先生を感じさせてくれているような気がした。
今回の事は、きっとこれからプラスへと変わっていく。
お互いもっと素直になって、言いたい事を言えるように。
少しずつ、お互いの事を知っていこうね。
「先生、大好きです…」
「うん、俺も…」
今日は少しぶっきらぼうな返事の先生。
今、どんな顔をしてくれているんだろう。
もしかしたら、真っ赤かもね。
暗くて静かな車内に微かに流れる音楽。
その音に耳を傾けながら、しばらくの間私達は抱きしめあっていた。