先生と教官室2〜新しい道〜
「じゃ、悪いけどお願いしようかな。」
「解りました。」
Sの要素は強いけど、なんだかんだ優しい進藤先生。
今も自分には関係ないはずなのに、こんなにも考えてくれていた。
「その代わり、今度デートですよ。」
「あははっ久しぶりに聞いたなそれ。」
前もそうやってふざけながら飲みに誘われたな。
確かあの時はテスト週間で伊緒に会えなかったんだよな。
「今度は僕のオススメの場所連れてきますよ。」
「お、楽しみだな!!」
笑いながら飲みに行く計画をする進藤先生は、本当に楽しそうだ。
いつか、それが横井とできるといいな。
あえて今それはいわないが、本当にそう思う。
「いつ行きましょうかね?」
「あははっ、どんだけ楽しみなんだよ!!」
進藤先生が無邪気に話す姿は、さっきの俺の敗北感をなくしていく。
その姿が子供にしか見えないからかどうなのか。
それからしばらくの間、俺と進藤先生の話題はデートの事ばかりだった。