先生と教官室2〜新しい道〜
何の…話し?
「伊緒…これってさ…」
私と同じように先生達の会話を聞いていた恵那が、目を丸くしながら私を見た。
「この夏休み、伊緒さんを責任もってお預かりします。ですので…」
「解りました、先生の言葉を信じますよ。夫には私からうまく言っておきます。」
「ありがとうございますっ」
先生が静かに頭を下げ、それに続くようにお母さんも頭を下げた。
その姿に、私の目から涙がこぼれていく。
沢山じゃなくたった一つの涙が…。
「伊緒、よかったね…。」
「うん……」
私の為にここまでしてくれるなんて、嬉しすぎるよ。
「あと、もう一つ…」
流れる涙を恵那に拭ってもらっていると、先生が再び話し始めた。
「卒業を迎えたら伊緒さんを迎えに来ます。覚えておいて下さいね。」
「「!!!!!」」