先生と教官室2〜新しい道〜
ドアを開けた瞬間、明るい光と何かいい匂いが俺を迎える。
ん?なんか…懐かしい匂い。
「あっ先生!!」
「お、おぅ。」
「おかえりなさいっ」
「っった、ただいま。」
うっわぁぁぁ!!!
なんだ今の可愛いおかえりは!!
伊緒の方が全然大人じゃねぇか!!
俺だけバカみたいに緊張してるみたいだな。
部屋へと入っていく伊緒の後を着いていくように俺も歩いていく。
すると、いい匂いがどんどん近づいてきた。
「えっお前これ…」
「えへへ、冷蔵庫にあったやつ勝手に使っちゃいました。」
「すっげー…」
久々の心からの感激。
俺の目に入ってきたのは鮮やかな晩御飯達。
しかも、丁度食べたいと思っていたエビフライまであるじゃないか!!
「今日からお世話になるんで…お礼です。」
お前、最高すぎるだろ。
あんな短時間でここまでしてくれたのか?
「あと少しでご飯炊けますから、そしたらご飯食べま…キャッ!!」
伊緒が炊飯器を見に背を向けた瞬間、後ろから抱きついてやった。
小さな背中に覆い被さるように思いっきり。
「いいな、こうゆうの。すげー癒される。」
身体の内側から暖められているようにポカポカする。
一人暮らしでは感じられない、なんとも言えない気持ちだ。
こんなにも小さい身体なのに。
まるで俺の何倍も大きいかのように、温もりで包んでくれるんだ。
「伊緒、これからよろしくな。」