先生と教官室2〜新しい道〜
今日から始まる夏休み。
長くて短い1ヶ月と少し。
いつも一緒には居られない俺達だけど、この期間だけは特別。
寝ても、起きても、隣には伊緒がいる。
人の温もりが近くにある。
「きっと、今までで一番幸せな夏休みになりますね。」
抱きつく俺の腕に伊緒の右手が触れる。
料理をしていたからか、その手は水に濡れていてヒンヤリとしている。
「ふふ、ずっとひっついてられますね。」
お、何だ?
今日はやけに素直に可愛いこと言うなぁ。
「じゃぁ、一緒に風呂入るか?」
笑いながら少し俺の方へと振り向いていた顔が、秒刻みに赤くなる。
あ、本気にして照れてる?
目も涙を帯びてうるうるしてるし。
「な、に…え、本気ですか?」
「ぶはっ、焦りすぎ!!!」