先生と教官室2〜新しい道〜





ストレートな言葉で伊緒に伝えた今の気持ち。






どうやって言おうか迷ったんだけど、やっぱりストレートにいくことを選んだ。






伊緒は変な所で鈍感だからな…こればかりは誤解されたら困る。






「っっせんせ…の…バカぁ…」





「えっ!?」






抱き締めてる腕に落ちてくる沢山の涙。





ずっと静かだとは思っていたけど、まさか泣いてるとは…。






やっぱりストレートに言い過ぎたか?






「ごめん伊緒。泣かせるつもりはなか…っ!!」






話している途中、無理矢理ほどかれた俺の腕。





背中を向けていた筈の伊緒が一瞬にして振り向き、そして…






「……仕返しです。」






噛むように唇にキスをした。






伊緒にしては珍しい力強いキス。






今まで感じれなかったものを知れて嬉しい反面、伊緒が言う仕返しってどういう意味だ?







「ふふ、なんの事だって顔してますね。」







頬には涙が流れているのに、満足げに笑ってる伊緒。






もしかして、それは嬉し涙なのか?







解かれた腕をゆっくりと動かし、流れる涙を拭いていく。







すると、伊緒はまた満足げに笑った。










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