先生と教官室2〜新しい道〜
寂しい目
――――――――……
「伊緒ちゃんっ、コーヒーお願い。」
「はいっ」
「伊緒ちゃーん、これ奥のテーブルね。」
「はいっ」
始まった夏休みに、始まった喫茶店でのアルバイト。
そう思っていたのに、いつの間にかもう夏休みは半分を過ぎていた。
覚える事は沢山で、当たり前に忙しい。
モーニングの時は次から次にお客さんが来るし、昼から夕方にかけても暇な時間は全くない。
やっと出来た時間も、コーヒーの淹れ方やスイーツの作り方を教えてもらっていて無いに等しい状況。
充実した毎日だけど、余裕が無い毎日。
1日のアルバイトを終えて家に戻る時にはもうクタクタになっていて、
「つかれたぁー…」
と、言いながらソファーに飛び込むのが軽く日課になっているほど。
でも、
そんな状況になりながらも頑張れるのは、やっぱり…。
「お疲れ、今日は俺が晩飯作ってやる。」
大好きな先生のお陰なんだぁ。