先生と教官室2〜新しい道〜
ココアばかりに向けていた視線を、勢いよく先生へと向ける。
さっきまで静かだった先生のいきなりの大声に、私の心臓が激しく動き出す。
「お前、色々考えすぎ!!」
「え、なんで解って…」
「見てりゃ解る。」
そっか、先生には何でも解っちゃうんだ。
言葉にしなくても自然と伝わっちゃうんだね。
「どうせ俺の事だろ?伊緒は何でもお見通しだからなぁ。」
「そんな…」
全然そんな事ない。
先生は私のこと何でも解っちゃうのに、私は先生のこと何も解ってあげれてない。
ただそうなのかなって感じるだけで、凄くもどかしい。
「ずっと話そうと思ってたんだけど中々言い出せなくてさ。ごめんな、悩ませて。」
「いえ、そんな…」
何かを決めたかのように、先生はコーヒーを一口飲んでから深呼吸をした。