先生と教官室2〜新しい道〜
二人で行く海
「わぁー…キレイですね。」
「あぁ、ほんとだな。」
長く出ている陽がすっかりと落ちて真っ暗となった夜。
二人で手を繋ながら歩いていると、空には沢山の星がでていた。
「星がキレイな日でよかったなぁ。喜んでくれてるといいけど。」
「大丈夫、きっと喜んで笑ってますよっ!!!」
空を見る目を下へと向ける。
視界一杯に広がるのは、星の光を受けてキラキラと輝く一面の海。
久しぶりに来た海。
初めて先生と来た海。
今日は遊びに来たわけでもデートをしに来たわけでもなく、二人で花を供えに来た。
海の真ん中辺りまで歩いた所で、先生はゆっくりとしゃがみ花を置いた。
二人で選んだ花が潮風に揺れて甘い香りを散りばめ始めていく。
「…ふぅ」
先生は少し深めに息を吐き、静かに目を閉じて海へと手を合わせた。
私も同じように手を合わせてみる。
静かな空間では海の流れる音だけが聞こえて心地いい。
少ししてから横を見てみても、先生はまだ目を閉じていた。
真剣な顔かっこいいなぁ。
寝顔とはまた違う感じでドキドキする。