先生と教官室2〜新しい道〜






「先生、もう我慢しないで下さいね。」







「え?」







「辛いなら辛いって言ってください。泣きたいなら思いっきり泣いて下さい。どんなに強い人でも必ず弱い部分はあるんです。だから、たまには私に甘えて下さい。」








秋山先生と先生の今日の会話を聞いて思った事を言葉へと変えて伝えていく。







すると、笑っていた顔が少しずつ真剣な顔へと戻っていった。







頬に触れる先生の手に自分の手を重ねる。







「秋山先生が先生に助けを求めていたように、先生も私に求めて下さい…。」








「いお……。」








「もう先生は一人じゃないはずです。頼りにも力にもならないけど、でもっ、それでも私が傍にいま…キャッ!!」








途中まで伝えられた言葉の続きは身体へと吸収されていく。







私の顔はすでに先生の腕の中で、強く抱きしめられているから話す事ができない。







でも、きっと全て伝わってる。









先生はエスパーで、私の気持ちはいつもお見通しだから。









「伊緒が傍にいて、本当に良かった…。」








涙が更に溢れていく。







求められる事って、こんなにも嬉しいんだ…。








好きの言葉の何倍も心に響いてるよ。












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