先生と教官室2〜新しい道〜
初恋のお相手
「私は伊緒みたくできないもん。」
「え、どういう事?」
私みたくって何が?
素直じゃなくて子供で、先生に甘えてばっかの私が、恵那にとってはどんな風に映ってるというのだろうか。
「……だから、そんな…その…。」
恥ずかしそうに顔をうつむいた恵那は、前よりも女の子っぽくなっていて何だか可愛い。
恋をすると可愛くなるっていうけれど、ここまでとは思わなかった。
それに、恵那をここまで女の子にしてしまう相手がすごく気になる…。
「ねぇ恵那。相手って誰なの?教えてよ。」
すっかり涙が乾いた目を恵那に向けると、あからさまに目がきょどっていく。
「………えっと。」
「うん。」
「びっくりしないでよ?引かないでよ?」
「うん。」
私の顔をみて恵那は一呼吸。
そして、ゆっくりと口を開いた。