先生と教官室2〜新しい道〜





話し終わった後に教官室に響くのは、パソコンの機会音と時計の針の音だけ。







二人の間に言葉が出てくる事はなく、ただその音を耳へと受け入れている。






…どうしよう、先生が黙ったまま何も言わない。







その上ピクリとも動かないし…。







話していく間に下へとむけてしまった顔は上げるに上げられなくなり、先生の顔を見たくても見ることが出来なくなってしまった。








今どんな顔しているんだろう。








困ってる?







それとも怒ってる?







あー……私、変な事言っちゃったのかな。








ドキドキしすぎて壊れてしまいそうだ。








「伊緒。」







「!!!!?」







静かな空間を破った先生の声が、突然私の耳へと響いてきた。








…え?今、先生は何て言いました?







片瀬が伊緒になってた気が…。







「ははっ、面白い顔してるなぁ。ほんと良い反応。」






「なっ!!!!!」






こんの教師はっっ!!






いつもいつも私をからかって……







「ふはっ、ごめん嘘だって。




……ほら。おいで、伊緒。」







「っっ!!!!!」







そんな、不意打ちって……ありですか?








「伊緒、聞こえない?おいで。」







心臓が速く動きすぎて止まっちゃうんじゃないかな。








「っっ先生!!!!!」








それぐらい、今の私の胸はドキドキしてる。












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