先生と教官室2〜新しい道〜




「今日から隠れる必要がなくなるし、伊緒に我慢させる事もなくなる。」








我慢って…それは私だけがしてた訳じゃないでしょ?







先生も私と同じくらい、いや、私以上にしてたはず。








「今まで我慢させてきた分、これからは今より幸せにしてやる。絶対に。」








「えっ…」







今以上の幸せなんて、そんなの考えられないよ…。







今でも十分すぎるくらい幸せなのに、これ以上なんてあるのかな?








「…横井にも頼まれたしな。」







「…恵那が?先生に?」







「あぁ。絶対に幸せにしろとか、守ってやれとか色々とな。その時は進藤先生も一緒に居たんだけど、いきなり横井に頭下げられて二人でびっくりしたよ。」







「…恵那。」







先生と進藤先生と恵那が一緒に居た時はあの日だけ。







私が先生の家に泊まりに行った、一学期の終業式の日。








そういえば、恵那が一緒に行くって言った時に言ってたっけ。







『先生に言いたい事がある』って…。








あの日はハプニングが沢山起きて忘れてたけど、恵那の言いたい事は私の事だったんだね。











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