先生と教官室2〜新しい道〜
「おはようございます。どうしたんですか?朝に電話なんて…珍しいですね。」
先生は、学校ではバレるといけないからって夜にしか連絡をしてこない。
って、もっと凄いこと平気でしてくるくせに何言ってんだかって思っちゃうけどね。
だけど、あえてそれは言わないようにしてる。
それまでしなくなっちゃったら寂しいから、ね。
『いや…ここ最近まともに話せてなかったし…たまにはいいかなって。』
そう、始業式が始まる前のここ数日は先生があまりに忙しくて電話は勿論メールもままならなかった。
「別に、これくらい大丈夫ですよ…。」
私も子供じゃない。
少しくらいなら我慢はできる。
……多分。
『嘘つけ、寂しかったくせに。』
そんな私を見透かしているように、いじわるなトーンで話す先生。
「なっななっ!!!」
何、その私ばっかり寂しいみたいな言いようは!!
なんかムカつく!!
「寂しくなんかないです!!もう切りますからね!!」
可愛くない私は、そのまま電話を切ろうと耳から携帯を離そうとする。
でも、微かに先生の声を感じた気がしてもう一度耳に近づけた。