先生と教官室2〜新しい道〜
「…と、とにかく、恋なんて誰かが知ってるようなもんじゃないんだよ。」
「…うまくまとめましたね。」
「うるさい!!」
少しニヤッと笑った進藤先生は、いつのまにか普段通りにの様子に戻っていた。
少しは助けになれたのか…?
「恋か…僕にもできますかね?」
「できるさ、俺より進藤先生の方が女の気持ち解ってるんだから。」
二年前、まだ伊緒と付き合ってない時に何度もすれ違いをおこした俺達を、進藤先生は何度も助けてくれた。
まぁ助けてくれたというより、俺に説教をしてたが正しいんだけど。
「ふふ…まずは相手ですけどね。」
「あぁ。」
「次シュート練習っ!!一列にならべーっ」
部活動をしている部員達の大きな声が教官室まで響いてくる。
今日バスケ部休みにしちゃったからな…少しあの騒がしい声を聞けないのが寂しく感じる。
「甲田先生、お腹減りません?」
「あぁそうだな…。」
始業式を終えて、もう昼はずいぶんすぎていた。
「すきっ腹にコーヒーもなんですし、何か食べにいきませんか?」
「お、いいねー。行きますか。」
飲んでいたコーヒーを全て飲みほし、二人分のコーヒーカップを流しへと持っていく。
そして、自分の車の鍵をもって教官室の扉を開けた。
「何食べます?」
「……オムライス。」
「………子供ですね。」