先生と教官室2〜新しい道〜
「き、聞いてますからぁ!!離してください!!」
鍵を持っている手が震える。
先生に触れられている部分が熱くなって、どうしようもなくドキドキする。
「…仕方ねぇなー。」
そう言いながらしぶしぶと私から手を放す先生の声は、少し甘みをおびているように感じる。
「もう鍵閉めたのか?」
「え…あ、はい。」
さっきまで震えていた手の中にある鍵を、そのまま鞄の中へとしまう。
「じゃぁ行くか。」
「え?」
「おいで…伊緒。」
「っっ!!」
自分で顔が赤くなるのがわかる。
少し笑みを浮かべながら私に手を差し伸べている先生を、恥ずかしくて直視できない。
「聞こえない?おいでって…。」
「あっっ…!!」
動かない私を、先生は少し強引に引っ張ってみせた。
そして、そのままされるがままに車へと連れていかれた。