先生と教官室2〜新しい道〜
「…人の事言えるのか?」
「え?」
さっきまでとは違う車のスピードに周りを見渡すと、すでに先生の家の駐車場に到着しているようだった。
くだらない事言ってる間についてたんだ…。
あまりの面白さに全然気づかなかったや。
「ちょっとごめん。」
「……っっ」
テレビで見た事のある、車をバックする瞬間の男性の仕草。
あんなの嘘だと思ったけど、先生にやられると本当にドキドキする。
ちらっと後ろを見る顔とか、座席に回された手とか…。
私にはないものを感じる。
でも、一つだけ気になる。
「カーナビ使えばいいのに…。」
このドキドキを失うのは嫌だけど、カーナビを見るたびにいつも思う。
せっかくついてるのに、活用しないなんて勿体無いなって。
最近のは後ろが見れる機能だってあるのに。
「何で使わないんですか?」