先生と教官室2〜新しい道〜





「あ、あのですね、恵那が階段から滑って落ちそうになった所を進藤先生がハグして支えてくれたんですって。そうしたら、そこからはもう坂道を転がるように気持ちが加速したとか……アハハ」




おいおい、まじかよ。




進藤先生かっこいいな。




漫画に出てくるヒロインの彼氏で、第二の主人公並みのたちいちじゃねーか。





「…そんな事もあるんだな。」





「はい。あ、でも恵那は見てるだけでいいって言うんです…何か勿体無いですよね。」





見てるだけ、ね…。





まぁ横井がそう思う気持ちも解らんではない。





俺と伊緒との恋は上手くいきすぎただけであって、普通はこうはいかない。





あくまで先生と生徒の壁は崩れないんだし、その後を考えると告白もできないだろう。





それに片思いの時の毎日逢える幸せと、失恋した後の毎日逢う苦しさとじゃ比べものにならないくらい違うものがある。





だったら誰もが幸せなままでいたいよな…。






「難しいな…そこら辺は。」




「はい…でも、恵那には叶えてほしいって気持ちがあって…正直複雑です。」





「あぁ、そうだな。」





自分にとって大切な人には幸せになってもらいたい。





それは勿論、進藤先生も例外じゃなくて。





お互い恋をよく知らない初恋通し、上手くいったらいいな…。






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