先生と教官室2〜新しい道〜





「で、どうした?」





お湯の方に目をやりながら問いかけると、少し低めのトーンで進藤先生が話し出した。





「…気になる生徒がいるんです。」





まさか…恋の話しなのか?




進藤先生の事だから、てっきり仕事の事だと…。





「その生徒とこの前個人面談したんですけど…どうもその時に見た表情が忘れられなくて…」






「表情?」





それはまたベタな…。





「はい、最初は緊張してるようで…。かと思ったらめちゃくちゃ笑うし。でも、帰っていいよって言ったら泣きそうな顔になって…」






あぁ…何となく相手が解った気がしたな。





進藤先生を相手にして表情をコロコロ変える生徒なんて一人しかいないだろう。






「それに、その生徒危なっかしいんですよ…この前も階段から落ちそうになってて…。」






「ぶふっっ」






ビンゴだ…。





進藤先生がいうその生徒は、横井恵那に間違いない。








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