先生と教官室2〜新しい道〜
「え…?」
私の発言に相当驚いたのか、先生は私から身体を離す。
すごい目見開いてるんだけど…。
そんなに驚く様なことを言った覚えはないんだけどな。
「伊緒が俺に?コーヒーをわざわざ淹れてくれるのか?」
そう言いながらやっと目を元の大きさに戻したかと思ったら、今度はキラキラと輝かせ始める先生。
「はい…あ、嫌ならいいですよ。言ってみただけなので。」
その目に少し戸惑いながらも私も口を開く。
別に無理矢理飲ませる気はない。
飲みたいかなって思ったから言ってみただけだし。
「いや、飲む。」
「へ?」
「絶対に飲む!!!」
さ…さっきまでの先生はどちらに…?
「…じゃぁ、淹れますね。」
「おうっ!!」
…まるで子供。
いつしか作ったオムライスの時のリアクションによく似ている。
でも、食べ物じゃなくてコーヒー1つでこんなに喜ぶだなんて。
大人とは…先生とは思えない。