先生と教官室2〜新しい道〜
文化部の恵那と運動部の私。
足の速さと持久力で負けるつもりはない。
「待って、待って恵那っ!!!!」
「うわぁっぁぁ……」
腕を掴んだ瞬間、恵那から私の胸に飛び込んできた。
何が起きているのかは全然解らない。
でも、相当辛い思いをしているんだと感じた。
「いおぉ…もうやだぁ、苦しいよ…」
「恵那、落ち着いて。ゆっくりでいいから話して?」
「う…っん……ひっぅく…」
一目をさけるように、私は恵那を連れて校舎裏へ移動した。
春の涼しい風が私達の髪を揺らした。