先生と教官室2〜新しい道〜
「助けて下さい…甲田先生。」
俺の包帯を巻き終えた進藤先生は、頭を抱えこんで下ばかり見ていた。
これは相当追い込まれてるな…。
「もう解らないんです、どうしていいのか。どうする事が正しいのか。」
「…何があった?」
「横井さんとただ話してただけなんですけど…何か急に抱き締めたい衝動にかられてしまって。
…気がついたら力強く彼女を抱き締めていたんです。」
なるほど、本能が働いたわけだ。
でも、それは横井にとっては嬉しい事じゃないのか?
進藤先生はあいつの好きな人であって、近づきたい存在だろ?
なんであんな取り乱して泣いていたんだ…?
「もしかして、まだ続きがあるのか?横井を泣かせるような事が。」
少し低い声で進藤先生に問いかけると、バツが悪そうな顔をしながら小さく頷いた。