―悲しみの先にあるもの―
「で、話って何?」



「あのね…。」



今は放課後。



部活動をやっている生徒の声が聞こえる。



「最近、翼わたしのこと避けてるよね?それで、私なにかしたかな~て思って…。もし何かしたなら、私謝るから、お願いだから嫌いにならないで…。」



「お前は何もしてねぇよ。俺が悪いんだ。あと、別にお前のことも嫌いじゃないから。そんぢゃ、俺帰るから。」



「あっうん…。」



翼は私の頭を撫でると、去っていった。



しばらく、翼が触れた温もりは、私の頭から消えなかった。




< 44 / 78 >

この作品をシェア

pagetop