ブルーワールド
夏の終わり



夏休みはもうすっかり終わったっていうのに
この街のセミの声は途絶えることはない。



まだ太陽はギラギラと輝いていて
今年のしつこい暑さにいい加減うんざりしていた。



「くっはぁー、たまんねえよ。俺ちょっと行ってくるわ。」



どこでもなのかもしれないが、一般の公立高校よろしくこの高校にもクーラーなんてついちゃいなかった。



「何?どこ?」



「こんな暑けりゃ、行くところなんて一つしかないだろ。」



「おまえ、また行くのかよ」



「いいだろ。お前らとは違って俺は部員なんだし。行ってくるわ。じぁあな。」



「うわっ!!裏切り者!!」



< 2 / 44 >

この作品をシェア

pagetop