ブルーワールド


「はぁ?そしたら本当にかかったのかかかってないのかわかんねぇじゃん!」



「そのうちわかるよ。絶対にね」


初は謎な言葉を残し、バイバイと手をふった。



結局そこで別れ、
俺は名残惜しいと思いながらも、部活内に少しは話しのできるやつができたと内心喜んだ。



初は俺が階段を下りるまで
見送られるより見送る方が好きなのだといって
手を振っていた。



何故だかわからないけど
初の笑顔が泣きそうに歪んで見えたのに



俺は気づかないふりをして

見間違いだと思って

電車に乗り込むために階段をおりた



それが間違いだったのか
正解だったのか
俺は今でも考えるときがある



でも未来を知ったところで
あの時の俺には
何も出来なかったのかもしれない



ともかく
それ以来初は部活に姿を表すことはなくなった



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