ブルーワールド
「初いる?」
「えっ?あ…栄だ。」
初のクラスである7組に足を運び、尋ねると知らない女の子がそう呟いた。
ってか、呼び捨てか?
誰なんだ?
「…だれ?」
「栄君だよね?ああ、ごめん。有名だったからつい」
うわっ、俺ってそんなに有名人?
「初って…由井初音のこと?」
「…多分。水泳部の」
名前ちゃんと覚えてないし。
「やっぱり初音か。あんたらって知り合いだったんだ」
あんたとか失礼だし、この女
「俺水泳部だし」
「知ってるよ。ってか私も水泳部だって…しらないか」
知りません
「初音ならいないけど?」
「えっ…休み?」
「休みっていうか…あんた聞かなかったのか」
「何を?」
俺の問には答えず、彼女は言った。
「答える前にいくつか聞いてもしても良いかな?」