ブルーワールド
オーストラリアのイルカのいる美しい海岸
栄はそこに見覚えのある後ろ姿を見つけた。
あの日見送ることがなかったために、最後に見ることのなかった後ろ姿だ
「おい、金髪碧眼はどこいったんだよ?」
いきなり後から話し掛けられた日本語に、初は勢いよく振り向いた。
「…さ、かえ?」
栄がいることが未だに信じられないというように目を見張った。
栄は迷わず続ける
「魔法だ」
「まほう…?」
初は少しだけ俺から目を反らした。
「お前は魔法をかけ間違えた。」
「えっ、じゃあなんで?」
「お前は俺に間違えて潜れなくなる魔法をかけたんだ。だからあの日以来潜れなくなった!」