解ける螺旋
「……あれ。意外とあるな。
意外と着やせするタイプ?」

「っ……、離してったら!!」


その手から逃れようと身を捩って、私は樫本先生の腕に囲い込まれていた。
覗き込む瞳に、情欲の色を見付けて、私の身体は本気で強張った。


「じゃあ確かめる。
……どっちにしろ、脱がせればわかるか」

「なっ……、冗談止めて、こんなとこで……!!」

「場所が心配? 大丈夫。しばらく誰も来ないよ」

「そうじゃな……」


叫んだ言葉は、先生のキスに飲み込まれた。
必死に逃げ場を求めて後退して、ガタンと音を立てて身体が木の机にぶつかる。
それでも身体を離そうと、私は机に手をついて、必死に身体を仰け反らせた。


だけど逃げられない。


先生の手を止める事も出来ないまま。
服の上から身体をまさぐられて、いとも簡単にブラのホックを外される。
急に解放感を感じる胸。
頬に血が昇るのを感じた。


「……嫌っ……!!」

「どっかの哲学者が、こう言う時の女性の『嫌』は『もっとして』って意味だと解釈しろって言ってたよ。
バカかと思ってたけど、あながち嘘でもないのかもね」

「何言って……!!」


背中を机に押さえ付けられる。
それなのに抵抗らしい抵抗が出来ない。


先生が言った通り、本当に動けない自分が信じられなくて、ただ先生の手の感触に溺れて行く自分が理解出来なかった。
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