解ける螺旋
キスならまだしも。
こんな事を大人しく受け入れられる訳がない。
抵抗しなきゃいけないのに……!!


心は叫ぶ。
先生の言葉に必死に反論して、自分の想いを守ろうとしている。
だけど身体は拒まない。
私の身体に這う先生の手に、息が乱されて行く。


自分自身に混乱して、私はほとんど自我を崩壊させていた。
必死に身を捩ろうとしても、身体を押さえ付けられて、先生の手が服の下に潜り込んで来る。
その冷たい手の温度を、直に肌に感じる。
あまりに冷たい感触に、身体がビクッと震えた。


――こんなとこで。


怖いと思っている先生にこんな事をされて、泣き叫んで助けを求めたいのに。


私の口から漏れるのは途切れ途切れの喘ぎ声。
やけに艶っぽくて、自分で聞いていて羞恥で死にたくなる。


拒まないだけじゃない。
これじゃあまるで私が先生を扇動してる様にしか聞こえない。
そう強く感じたら、頬が上気するのがわかった。


涙で霞む視界に映る先生が、フッと小さく笑う。
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