解ける螺旋
徹底した冷酷さを露わにして、私を壊してしまう位の獰猛な目。
どうしてそんな目を私に向けるのかわからない。
どうして私なのかわからない。
好かれているなんてとても思えない。


少しでも好意的な感情があるとしたら、多分興味位の些細なもの。
だけどそこには、微かな『執着』も感じられる。


樫本先生にとって私は多分『特別』で、だけどそれは先生の感情ではない。
今、私が樫本先生から感じられる気持ちを言葉に表してみたらそんな感じ。
改めて意味がわからない。


何の為に私に執着して、何の為に残酷になるんだろう。
そしてなんであんなに傷付いた瞳をするのか。


知りたいと思うのは関心があるから。
樫本先生への自分の感情に反論を探す事も出来ず、結局私は反論を諦める。


知りたい、と思う気持ちは誤魔化せない。
考えてみたら、そんなの当たり前の事。
結局私は、先生の態度や感情の意味を知りたいんだから。


開き直って自覚してみたら、本当に驚くほど私は先生を知らない事に気付いた。
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