解ける螺旋
歩きながら白衣を脱いで荷物の中にグシャグシャに突っ込む健太郎の背中を、私は不可解な気持ちのままで追う。
「健太郎……!
なんで? なんであんな事聞いたの!?」
掴まれた腕を振り回して払うと、意外にあっさり手を放された。
それに私の方がビックリしていると、健太郎は直ぐに歩き出してしまう。
「健太郎!」
結局私が健太郎の腕を掴んで止める。
そうしてやっと健太郎が足を止めた。
「確かめる為だよ。ちょっと強引だったのは認めるけど。
でも知りたい事は確認出来たから、それでいい」
「知りたいって、何を……」
つい責めたい気持ちが湧いて、口調が強くなる。
だけど健太郎は表情を変えはしない。
「樫本先生の妹の病気。
……それから、奈月が本当に樫本先生の物になったのか」
「……!」
思わず口を両手で押さえた。
それを見て、健太郎が苦笑する。
「ほんと。奈月って嘘つけないよね。
かと言って、さすがに直接聞くのもどうかと思ったから。
全く。あれだけ油断するなって言ったのに。
……なあ、そんなに好き?」
返事も出来ない。
ただ足元に目線を彷徨わせて、私は何をどう答えようかと迷った。
「健太郎……!
なんで? なんであんな事聞いたの!?」
掴まれた腕を振り回して払うと、意外にあっさり手を放された。
それに私の方がビックリしていると、健太郎は直ぐに歩き出してしまう。
「健太郎!」
結局私が健太郎の腕を掴んで止める。
そうしてやっと健太郎が足を止めた。
「確かめる為だよ。ちょっと強引だったのは認めるけど。
でも知りたい事は確認出来たから、それでいい」
「知りたいって、何を……」
つい責めたい気持ちが湧いて、口調が強くなる。
だけど健太郎は表情を変えはしない。
「樫本先生の妹の病気。
……それから、奈月が本当に樫本先生の物になったのか」
「……!」
思わず口を両手で押さえた。
それを見て、健太郎が苦笑する。
「ほんと。奈月って嘘つけないよね。
かと言って、さすがに直接聞くのもどうかと思ったから。
全く。あれだけ油断するなって言ったのに。
……なあ、そんなに好き?」
返事も出来ない。
ただ足元に目線を彷徨わせて、私は何をどう答えようかと迷った。