解ける螺旋
だけどまだ信じたくない。
「ありえない事を前提にして考える、か……。
今までの世界で、結城にももっと関わっておけば、彼が真相を知ってしまう事も防げたのかもしれない。
だけど長時間に渡って、他の世界に干渉する事は危険だった。
……そっか。やっぱりこの世界でも、俺は望んだ未来を手に出来ないのかもしれない」
まるで泣き声みたいに聞こえる愁夜さんの声。
私は何も言えなくて、毛布をギュッと握り締めたまま俯いた。
だけど愁夜さんが私に顔を向けて、今までにない位優しく私の頬を撫でてくれる。
「ここまで辿り着いたご褒美に、教えてあげるよ。
今までの事。
……まあほとんど君と結城の考えた通りだと思うんだけどね」
――そう言って。
愁夜さんは、このたくさんの世界の起点になった『始まりの世界』で起きた事を、私に話してくれた。
それは、今、この世界に生きている私の存在を根底から覆す現実。
自分の心どころか、存在まで否定された様な衝撃を受けながら、私は必死に堪えた。
「ありえない事を前提にして考える、か……。
今までの世界で、結城にももっと関わっておけば、彼が真相を知ってしまう事も防げたのかもしれない。
だけど長時間に渡って、他の世界に干渉する事は危険だった。
……そっか。やっぱりこの世界でも、俺は望んだ未来を手に出来ないのかもしれない」
まるで泣き声みたいに聞こえる愁夜さんの声。
私は何も言えなくて、毛布をギュッと握り締めたまま俯いた。
だけど愁夜さんが私に顔を向けて、今までにない位優しく私の頬を撫でてくれる。
「ここまで辿り着いたご褒美に、教えてあげるよ。
今までの事。
……まあほとんど君と結城の考えた通りだと思うんだけどね」
――そう言って。
愁夜さんは、このたくさんの世界の起点になった『始まりの世界』で起きた事を、私に話してくれた。
それは、今、この世界に生きている私の存在を根底から覆す現実。
自分の心どころか、存在まで否定された様な衝撃を受けながら、私は必死に堪えた。