解ける螺旋
はっきりと、しっかりと言った言葉に、愁夜さんは息を飲む。
そして私をジッと見つめた後、溜め息をついた。
「奈月は、どこまで俺を悪人にしたら気が済むの」
そんな事を言っているのに、頬を撫でる仕草が嫌になる位優しい。
離して欲しくなくて、思わずその手を捕まえた。
愁夜さんはそんな私を見て小さく笑う。
「そんなに俺が好き?」
自信満々な言葉。
だけど。
「……今こうやって触れるのも、『私』が初めてなんですよね?」
被せる様に言うと、愁夜さんは訝しげに私を見る。
「……なんか語弊があるな。
まあ、君に触れるのは、この世界が初めてだよ」
それを聞いて、やっと心が晴れる様な気がした。
こんな事なら、もっと早く聞けば良かった。
自分の気持ちが信じられず、心にまで自信が無くなったのに。
それもこれも、私の気持ちが全て影響を受けて変えられただけって言葉を否定出来なかったから。
「……良かった。やっぱりこの気持ちは私の本心なんだ」
ホッとした。
私の心は私の物。
そんな当たり前の事でも、確信出来た事が嬉しくて、私は愁夜さんの胸に顔を埋めた。
私の行動が予期出来なかったのか、愁夜さんが微かに身じろぎした。
「何、急に」
「やっと自信が持てた。
愁夜さんになら殺されてもいい。
愁夜さんの未来に要らない私じゃ生きてる意味ない、なんて。
なんでそんな風に考えられるのか、自分でも理解出来なかったの。
……だけど、好きなんだから。それならこんな気持ちも説明出来ますよね?」
「……は?」
愁夜さんの身体がピクリと動いた。
そして私をジッと見つめた後、溜め息をついた。
「奈月は、どこまで俺を悪人にしたら気が済むの」
そんな事を言っているのに、頬を撫でる仕草が嫌になる位優しい。
離して欲しくなくて、思わずその手を捕まえた。
愁夜さんはそんな私を見て小さく笑う。
「そんなに俺が好き?」
自信満々な言葉。
だけど。
「……今こうやって触れるのも、『私』が初めてなんですよね?」
被せる様に言うと、愁夜さんは訝しげに私を見る。
「……なんか語弊があるな。
まあ、君に触れるのは、この世界が初めてだよ」
それを聞いて、やっと心が晴れる様な気がした。
こんな事なら、もっと早く聞けば良かった。
自分の気持ちが信じられず、心にまで自信が無くなったのに。
それもこれも、私の気持ちが全て影響を受けて変えられただけって言葉を否定出来なかったから。
「……良かった。やっぱりこの気持ちは私の本心なんだ」
ホッとした。
私の心は私の物。
そんな当たり前の事でも、確信出来た事が嬉しくて、私は愁夜さんの胸に顔を埋めた。
私の行動が予期出来なかったのか、愁夜さんが微かに身じろぎした。
「何、急に」
「やっと自信が持てた。
愁夜さんになら殺されてもいい。
愁夜さんの未来に要らない私じゃ生きてる意味ない、なんて。
なんでそんな風に考えられるのか、自分でも理解出来なかったの。
……だけど、好きなんだから。それならこんな気持ちも説明出来ますよね?」
「……は?」
愁夜さんの身体がピクリと動いた。