解ける螺旋
Episode3: 集約された未来

 異質な存在の孤独

――……


白い光の洪水。
あまりの眩しさに目を開けていられない。


身体に纏わり付く鎖。
締め付けられて、身体中がバラバラに引き裂かれそうな感覚に襲われるのに、何の痛みも感じない。


ギュッと閉じた瞼の裏に、彼女の泣き顔が焼き付いていた。
俺の名前を呼んだ声が、いつまでも頭の中に木霊している。


ほんの少しだけ触れた唇の感触が、痛みも感じない身体を熱くする。


なんで、こんな――


覚えのない感覚に思わず身を捩った。


そして。
俺の身体に纏わり付いていた光が解ける。
途端に、何かに身体ごと吸い込まれる様な錯覚を覚えた。


閉じたままの目でも、周りの光が色を失っていくのはわかる。


そして、暗転――
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