解ける螺旋
飛んだ火花が引火したのか、健太郎の白衣の背中に焦げ跡がはっきりと残っていた。
焼けて穴の空いた小さな痕の奥に覗く素肌。
軽くても火傷をしているのははっきりとわかる。
「大丈夫!? 健太郎……!」
思わずそう叫んで、健太郎が小さくシッと私を制した。
「大した事ない。……火は?」
「大丈夫です。このコードだけで済みました」
消火器を持って来てくれた学生の声に、健太郎がホッと息をつく。
その間にも、研究室の学生が私と健太郎の傍に駆け寄って来る。
その中には教授も樫本先生もいて、健太郎はしっかりと立ち上がった。
「すみません。電流が少し大きかったみたいです。
俺の確認不足でした。すみません」
しっかりした声で頭を下げた健太郎に、集まった学生がみんなホッと息をついた。
「いや、計算は間違っていなかったし、設定も確認した。
何の誤差が生じたんだか……」
謝る健太郎に教授も首を傾げる中、樫本先生が健太郎の肩に手を掛けた。
「失敗の追及は後。結城君、火傷の治療をしないと」
その言葉に、あ、と声を上げた時、健太郎が小さく笑った。
「大丈夫ですよ。この位、大して痛みません。それより実験を……」
「ダメだよ。ちゃんと医務室に行く事。
……なんなら僕が付き添うけど」
「先生、私が行きます」
樫本先生の言葉に私が反応した。
焼けて穴の空いた小さな痕の奥に覗く素肌。
軽くても火傷をしているのははっきりとわかる。
「大丈夫!? 健太郎……!」
思わずそう叫んで、健太郎が小さくシッと私を制した。
「大した事ない。……火は?」
「大丈夫です。このコードだけで済みました」
消火器を持って来てくれた学生の声に、健太郎がホッと息をつく。
その間にも、研究室の学生が私と健太郎の傍に駆け寄って来る。
その中には教授も樫本先生もいて、健太郎はしっかりと立ち上がった。
「すみません。電流が少し大きかったみたいです。
俺の確認不足でした。すみません」
しっかりした声で頭を下げた健太郎に、集まった学生がみんなホッと息をついた。
「いや、計算は間違っていなかったし、設定も確認した。
何の誤差が生じたんだか……」
謝る健太郎に教授も首を傾げる中、樫本先生が健太郎の肩に手を掛けた。
「失敗の追及は後。結城君、火傷の治療をしないと」
その言葉に、あ、と声を上げた時、健太郎が小さく笑った。
「大丈夫ですよ。この位、大して痛みません。それより実験を……」
「ダメだよ。ちゃんと医務室に行く事。
……なんなら僕が付き添うけど」
「先生、私が行きます」
樫本先生の言葉に私が反応した。