おおかみとちいさなうさぎ
やがて森に冬がきた。
森中の動物達のほとんどが自分の巣に篭り、暖炉の火にあたりながら冬を越す。
この森では自分のあたたかい心で暖炉の火がともる。
だれよりもあたたかい心の持ち主であるうさぎの巣の暖炉は、うさぎの心のあたたかさによって、あかあかと火が燃えていた。
お腹が空いたうさぎはリスに手伝ってもらって集めた木の実を食べようとした。
「リスさんが手伝ってくれたおかげで木の実がたくさんとれたし、おおかみさんにわけてあげよう。」
籠の中に集めた木の実を食べようとしたうさぎはそう思い付き、小さな籠におおかみさんの分を分け、それを手におおかみさんの巣へ向かった。
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