Rainy days never stay～心の傷痕～

「神田川君、ちょっと何処いくの？？」

黙々とお酒を飲んでいた神田川先輩が、突然立ち上がった。

便所とボソッと言いい、フラフラしながらリビングから出て行く。

小牧さんは扉から目を離すと、一つ溜め息をついた。

「ゴメンね、今日は彼にとって特別な日らしくて。毎年決まってああなるの。桜ちゃんに電話したときはいつもと変わらなかったんだけど。その後あんな状態になっちゃって･･･。」

小牧さんの話によると、他にも何人か一緒に飲んでいたみたいだ。

だけど、神田川先輩の異変によって早々に皆帰ってしまった。

ソファーの周りにはお鍋の食べ残しやビールの空き缶が転がっていて、ここで宴会が行われていた形跡が沢山あった。




私もあんな先輩は初めて見た。

部署の皆で飲みに行ったことあるけど、確か先輩お酒強かった筈だけど･･･。