Rainy days never stay～心の傷痕～

トゥルルル・トゥルルル・トゥルルル・・・。

突然、部屋の電話が鳴る。

静かな部屋に鳴るその音は、私を少しびくっとさせた。

誰だろう？

そう言えば、彼が出張に出掛けるときに言ってた。

かけてくるのは家族ぐらいだから、取らなくて良いって。

それに、不在時は自分の携帯に転送させるようになってるから問題ないんだって。

だけど、その電話は繋がる様子も無く、留守番電話になってしまった。

盗み聞きするみたいで何となく落ち着かなくなった私は、自分の部屋に向かうことにする。


部屋を出てリビングのドアを閉めようとしたそのとき、微かに電話口から聞こえてきた声を聞き、私はその場に立ち尽くした。

閉めようとしていたドアを思い切り開け、その声を鮮明に聞こうと電話口に近付く。