Rainy days never stay~心の傷痕~
「・・・わかりました、食べます。」

「それでよろしい。」

そう言うと、彩乃さんは私を共同のリビングルームまで引っ張っていった。

そこには温かいお粥がすでに用意されている。

私は彼女に促され、一口くちにする。

「美味しいです。」

「良かった。ゆっくり食べてね。急に食べると胃がびっくりしちゃうから。」

そう言うと、彼女はちょっと電話するところがあるからと自分の部屋に戻った。

ちゃんと食べたか後で確認に来るからね、と一言添えて。

本当に彩乃さんには心配ばかりかけてしまっている。

それに、彼女は事情を無理に聞こうともしない。

彼女の優しさがとても有り難かった。


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