Rainy days never stay~心の傷痕~
「ただいま。」
突然後ろから聞こえてきたその声に、私は凍りつく。
一番聞きたくて、そして最も聞きたくないその声。
「・・・どうして。何でここにいるの!!」
「君がここにいるからだよ。」
私はゆっくりと後退り、彼との距離をおく。
「帰って!!お願いだから。」
私は自分の部屋目掛けて駆け出した。
「待って、俺から逃げないでくれ!!」
あっという間に腕を捕まれてしまう。
「離して、嫌!!」
「ちょっ・・・と、桜子!!
落ち着いてくれ、頼むからっっ。」
私は何とかその手から逃れようと思い切りもがく。
私の持っている全ての力で。
そのとき、私の目の前が真っ白になった。
遠くで、誰かの叫び声が聞こえた様な気がした。