Rainy days never stay～心の傷痕～
「彼、今フランスに出張中よ。
沖縄から帰ってきて、次の週には発ったから１ヶ月くらいもう経つわね。
自分で志願したみたい。」

「･･･知ってます。絵葉書が１度届いたから。」

そこにはラインスの綺麗な町並みの写真が写っていた。

そして一言だけ。

『自分を大切に、幸せになって。』
と、一言だけ。

「まだ、間に合うんじゃない？」

楓が言う。

私は首を横に振った。

「でも、彼が私に嘘を付いたことは紛れもない真実だから。」

「やっぱり許せない？」

「今回は許せてもこれから先、ちょっとしたことで私は彼を疑ってしまう。
お互いに傷付くのがわかっているのに、一緒にいるのは耐えられないよ。」

私の心は諸刃の矢の様に脆くなっていて、すぐに折れてしまいそう。

「辛いね、こんなに好きなのに。」

楓が自分のことの様に思い、泣いてくれる。

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