Rainy days never stay~心の傷痕~
「そろそろ解散するか。もうこんな時間だ。」

長谷川先輩が腕時計を確認しながら言う。

私も壁に掛かっている時計をみた。
既に夜の12時を過ぎていた。

「千葉さんは俺が家まで送って行くから。」

えっ、私の家ここからとっても近いですよ。
事実、10分位で着いてしまう距離だ。

「私平気ですよ、一人で帰れます。すぐ近くですから。」

駅の方向とは逆だし、申し訳ないので正直一人で帰るほうが気楽だ。
 

「そこまではっきり拒否されると傷つくな。
だけど、これだけは譲れない。
夜中に女性を独りで帰らせる訳にはいかないから。」

さっきまで笑っていた彼が、真剣な顔になる。

彼の頑固として譲らない姿勢に私が折れるしかなかった。

これ以上断っても無駄みたい。


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