Rainy days never stay~心の傷痕~
「桜ちゃん、桜ちゃん!!しっかりして!!」

気が付くと、私は彩乃さんに肩を揺すられていた。

「私、陽樹さんのところに行く!!
だって、彼独りで戦ってる。」

「すぐには無理よ。もう今日の出発便全部出ちゃったわ。」

「今行かないと、ダメなの!!」


私の前からいなくなるなんて、絶対許さないんだから。

私は彩乃さんの手を振り払おうと、必死にもがく。

「千葉、落ち着け!!」

今度は神田川先輩に羽交い絞めにされてしまった。

男の人の力には到底敵わず、私は身動きできなくなる。

私の頬から涙が伝う・・・。

「・・・桜ちゃん。」

彩乃さんが私をきつく抱きしめた。

私は床に力なく崩れ落ちた。





< 160 / 196 >

この作品をシェア

pagetop